小規模な営業を行っている個人事業主にとって、急な資金調達は大きな負担になるのも事実です。お金を借りる際は担保が必要になることが多く、保証人を得るのも簡単ではありません。与信についても確約されるとは限らないことから、売掛金を回収する権利を売却するファクタリングが広く行われています。ここでは個人事業主が行う資金調達の方法についてお伝えします。
【融資は高額な資金調達が可能だが制約も多い】
個人事業主が行う資金調達の方法でもっとも広く知られているのが金融機関からの融資です。銀行などの金融機関からお金を借りて、そのお金を事業の維持などに使います。個人が利用する融資は少額なので担保を必要としない、いわゆるフリーローンが主流ですが、個人事業主の場合は小規模とはいえ事業に関する事柄を理由にお金を借りることからその金額は決して小さなものではありません。数百万から一千万円ほどの金額になるケースも珍しくないことから、個人事業主が金融機関から融資を受ける際は担保や保証人を用意するのが普通です。しかし、すべての個人事業主が担保などを用意できるとは限らないのも事実です。
また、担保などを用意できたとしても、その個人事業主に金融機関が納得するだけの与信がなければ融資は受けられない可能性があります。与信は今までの業務実績や借入金の返済など、事業主としての行いが大きく影響します。どれだけ実績が豊富でも返済が滞っているなど、行いに問題がある場合は事業主としての与信は限りなく低いと言わざるを得ません。金融機関からの融資は与信が高く、必要な担保や保証人が用意できれば高額な借り入れも可能ですが、そうでなければ資金調達の方法としては最善とは言い難いのも事実でしょう。
【売掛金があれば誰でも利用できるファクタリング】
売掛金の権利を第三者に売却するファクタリングは経済産業省も推奨する、正当な資金調達方法です。個人事業主は業務の性質上、約束手形などの売掛金を扱うことは珍しくありませんが、売掛金の多くは期日に至るまで現金化できない欠点もあります。急にまとまった金額の現金が必要になった場合でも、売掛金をすぐに回収するのはほぼ不可能です。金融機関からの融資も審査に時間がかかってしまうことから、現金の調達方法としてファクタリングが選ばれるのは当然と言えるでしょう。また、ファクタリングは与信と無関係であることも大きなメリットです。金融機関からの融資は与信が審査結果を左右するため、必ず借り入れができるとは限りません。
その点、ファクタリングは基本的にどのような売掛金でも現金化できることから、融資を受けられなかった個人事業主でもまとまった金額を用意することが可能になります。また、自分では回収が難しいと判断した売掛金を業者に買い取ってもらう方法もあります。額面よりも少ない金額にはなりますが、確実に現金が得られるのがメリットです。
【ファクタリングに関するトラブルの詳細と対処法】
ファクタリングは担保も保証人も必要としない資金調達方法として広く知られていますが、一方で特有のトラブルに見舞われる可能性がある事実は否定できません。ファクタリングに関するトラブルで多いのが、売掛金の買い取りと偽った違法融資です。売掛金を買い取ったと見せかけ、実際は担保扱いにして後で返済を迫るのが多く見られる手口です。正規のファクタリングは売掛金の権利を買い取る行為なので、利息や返済などの語句が用いられることはありません。そのような語句が出たらその業者は違法融資を行う悪質な業者の可能性があるので避けるのが賢明でしょう。金銭トラブルは社会的な信用を著しく損なうので注意しなければいけません。
正規のファクタリング業者を利用する際も買い取り額や所要日数の確認が不可欠です。同じ売掛金でも買い取り額は業者によって異なります。買い取り額が高い業者を選ぶのが理想的ですが、すべての業者が即座に買い取ってくれるわけではありません。ファクタリングは売掛金の権利を他者に譲る行為でもあるため、権利を移動させる手続きが必要になります。買い取り額が高額でも手続きに長い日数を要する所は早急な現金化には不向きです。ファクタリングは金額と時間を考慮し、求める条件に合致する業者を選ぶのが上手な利用方法と言えるでしょう。手続きを済ませてから後悔しないためにも、事前の入念な情報収集を怠ってはいけません。
【必要な金額に応じて使い分けることが肝心】
個人事業主がまとまった金額の現金を用意する方法は様々ですが、もっとも広く行われているのが金融機関からの融資と売掛金の権利を売却するファクタリングです。それぞれに長所と短所があり、得られる金額にも違いがあります。どれだけの金額が必要なのかを踏まえ、最適な資金調達方法を選ぶのが個人事業主に求められる姿勢です。
ファクタリングについてもっと詳しくご説明します。
