法人や個人事業主が急な資金調達に迫られるケースは少なくありません。ひと口に資金調達と言ってもその方法は様々であり、それぞれ長所と短所があります。また、必要な金額や返済計画などを踏まえ、慎重に選ぶことが経営を長く続ける秘訣と言えるでしょう。ここではファクタリングなど、様々な資金調達の方法についてお伝えします。
【法人や個人事業主が選択できる資金調達の方法とは】
法人や個人事業主は仕事の都合上、急な資金調達に迫られることは珍しくありません。事業主などが選択できる資金調達の方法は大別すると、誰かから貰う、借入を行う、手持ちの資産を現金化する、の三種類があります。それぞれ長所と短所があり、動かせる金額にも違いがあるので注意が必要です。
事業主が第三者から資金を貰うことを専門用語で出資と言います。厳密に言えば出資は譲渡とは異なり、事業の運営資金を提供する代わりに何らかの見返りを得る取引です。株式の提供や役員としての起用など、見返りの内容は様々です。出資は基本的に返済の必要がないことから事業主にとっては最善の選択と言えるでしょう。
一方で事業主は出資者に対して十分な見返りを提供する必要があります。見返りに価値があると判断されなければ出資してもらえないので、資金調達の中ではもっとも難しい方法であるのも事実です。
借入は主に金融機関を利用することになりますが、毎月の返済計画を提示できなければお金を借りることはできません。また、金額が大きくなるほど借入審査も厳しくなるので、社会的な信用は必須と言えるでしょう。事業において何らかの実績があれば金融機関の審査はある程度緩くなると言われていますが、経済の状況によって審査基準が変わることから必ず借入ができるとは限りません。すでに他の金融機関を利用していると新たな借入ができないこともあるので、利用の際は十分に注意する必要があります。
ファクタリングは債権、特に売掛金を売却してお金にする方法であり、資産を現金化する方法の一種と言えます。ファクタリングは売掛金の回収よりも早い期間で現金を得ることができるので、急な資金調達には非常に便利です。また、ファクタリングは売掛金の貸し倒れリスクを回避する方法としても重宝されています。ファクタリングの手続きを済ませれば売掛金の回収は買い取った業者の責任になるので、万が一貸し倒れになっても大きな損失にはなりません。もちろん、ファクタリングの手続きには業者による独自の審査があるので、必ずしも買取が成立するとは限りませんが、リスク回避の方法として活用できるのも事実です。
【ファクタリングのトラブルや対処法】
ファクタリングは短期間で資金調達が可能な方法として重宝されていますが、一方でトラブルに見舞われる可能性も否定できません。ファクタリングで多く見られるトラブルに違法な貸金業務があります。これはファクタリングと偽り、実際は売掛金を担保にした融資だったケースです。融資についても金利が法外であり、俗にヤミ金と呼ばれる無許可の貸金業者がこのような手口で業務を行っています。本来のファクタリングは売掛金を売却する手続きであり、融資や返済などの語句が出ることはありません。手続きの際にこのような語句が出た場合は違法な業者の可能性が高いので避けるのが賢明でしょう。信頼のおける業者や担当者を選ぶことは必須になります。
また、売掛金の二重譲渡も多く見られるトラブルです。例えば、売掛金を業者Aに売却する手続きを行った後、別の業者Bから好条件での買取を提示されたことを理由に売却。業者Aとの取引を解約するつもりであったとしても、この行為は二重譲渡に該当します。ファクタリングの手続きが完了した時点で売掛金の権利は業者Aにあるため、一つの売掛金を二つの業者に売却した形になってしまいます。二重譲渡は横領罪や背任罪などの重罪と見なされることが多く、社会的な信用を著しく損なう行為です。知らなかったでは済まされないので、ファクタリングを行う際は一つの業者に決めることを徹底しなければいけません。税理士などお金の専門家にアドバイスを貰い、知らずに違法な取引を行うことがないように注意することを心がけましょう。
【目的に応じて資金調達の方法を選ぶことが大切】
法人や個人事業主が資金調達を行う方法は幾つもあります。その中でもファクタリングは短時間でお金が用意できる、売掛金を売却するので借入のような返済義務がないなどメリットが多い方法です。一方で無知から生じるトラブルの可能性もあることから慎重に判断しなければいけません。ファクタリングの他、出資や借入などの方法にも長所と短所があるので、お金を得る目的に応じて選択するのが上手に資金調達を行う秘訣です。
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