売掛債権を買い取ってもらえる会社を利用して、自社の資金を調達できる方法が、ファクタリングです。
事業規模が大きい大企業よりも、中小企業やフリーランスの利用者が多い、資金調達方法として広く知られています。
私は、地方都市を中心に活動しているフリーランスですが、ファクタリングを利用した際の体験談を、手続きやリモート面談の内容も含めて、紹介します。
目次
【ファクタリングを利用するに至ったきっかけ】
東京都内の大手企業で、グラフィックデザイナーとして5年間勤務していましたが、結婚をきっかけとして地元の埼玉県内に帰りました。
しかし、東京都内と比べて、グラフィックデザイナーの仕事が少なかったという理由もあり、結局、フリーランスとして独立しました。
東京の時と違い、埼玉県内では、グラフィックデザイナーとしての仕事がなかなか得られなかったという状況が起こっていました。
そのため、東京都内で仕事していた時のクライアントからいくつか仕事をもらって、なんとかしのげていたのです。
しかし、コロナウイルスの緊急事態宣言により、東京都への往来が制限され、仕事量が激減してしまいました。
それだけではなく、宣言以前に発注を受けていた仕事のうち、いくつかの会社からの支払いが滞る事態に陥ったのです。
このままでは、フリーランスとしての仕事ができないばかりか、毎日の生活に支障が出かねないため、地元の銀行に融資を受けてもらうと決心しました。
しかし、事業規模が小さく、しかも独立して間もないフリーランスという事情もあり、地元の銀行でも融資をしてもらえませんでした。
その後、信用金庫や国民生活金融公庫だけでなく、銀行系やノンバンク系のビジネスローンにも相談しました。
いずれも、一部税金の滞納や事業実績が乏しいといった理由で、融資自体が断られる事態に陥ってしまったのです。
融資が受けられず、資金調達ができない状況に、どうしたらいいのか悩んでいたところ、一緒に仕事していた仲間から電話がかかってきました。
「独立したが、資金調達ができなくなった」という旨の説明をしたところ、「ファクタリングという方法がある」と教えてくれました。
仕事仲間が教えてくれたファクタリング専門の会社に電話したのが、ファクタリングを始めたきっかけです。
【ファクタリングが可能かどうかの審査を受けた】
私が利用したファクタリング専門の会社ですが、スタッフの対応が早かったのを覚えています。
まず、住所氏名、生年月日等の個人情報を伝えた後、フリーランスとして活動している旨を説明しました。
すると、ファクタリングの審査をするため、本人確認に必要な書類及び、売掛債権の請求書等を郵送するように言われ、会社に送付して数日待ちました。
数日後、会社から電話があり、ファクタリングができるとともに、リモートによる面談を実施したいと言われたのです。
翌日、ファクタリングに関する内容のメールを受け取ると同時に、リモートでの面談が始まりました。
まず、売掛債権の内容ですが、記載されている4社のうち、3社が中小企業、残りは大手企業だという説明をしました。
会社によると、大手企業の分はすでに売掛金の回収がなされているので、残り3社の売掛債権がファクタリングの対象となるそうです。
その際、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があると言われたものの、売上低下のリスクを考え、3社間ファクタリングにするよう言われました。
【2社間ファクタリングを選んだ】
しかし、取引先が少ない中で、複数の会社間で債権譲渡契約をすれば、会社としての信頼が低下するリスクのほうが大きいと考えたのです。
従って、利用手数料が高くなっても、会社間の信頼低下を防ぐ意味で、2社間ファクタリングをしたいと伝えました。
手数料の高さから、会社側は難色を示していたものの、どうしても債権譲渡契約をしたくないという内容を、伝えたのです。
私の熱意が伝わったのか、最終的には2社間ファクタリングを行う方向で話がまとまりました。
参考までに、4社合計の売掛債権金額は100万円、うち大手企業分の60万円を除いた、40万円が売却対象の売掛債権金額となっています。
40万円全額を買取金額としましたが、手数料の10%を差し引いた36万円が、手元に入ってくる金額でした。
【短期間で資金調達ができて良かった】
面談の際に、なるべく早く資金調達をしたいという旨の説明をしておいたおかげもあり、リモート面談から3日後、無事に入金されていました。
一方、利用手数料がかなり高かったせいもあり、最終的には96万円の資金回収にとどまったのが、唯一のデメリットです。
とはいえ、短期間で資金調達ができたので、ファクタリング専門の会社を利用して、本当に良かったです。