売掛金を買取業者に譲渡して現金化するファクタリングは、事業主が一般的に行う資金調達方法です。融資を受けられない人でも利用できるので利便性が高く、利息を支払う必要がないことから経営が逼迫する心配もありません。ここでは事業を継続させるためにファクタリングを利用し、複数の買取業者を比較した体験談をお伝えします。
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【銀行の融資が期待できなかったのでファクタリングを選択するも審査が通らなかった理由】
私は食品製造の事業を手掛けていますが、売り上げが前年度と比べると約8割ほどに落ち込んでいました。また、原材料が値上がりしたのも経営が難しくなった理由です。事業を継続させるために銀行からの融資を検討しましたが、仕事の受注数が減って売り上げがマイナス傾向に陥っていたことを理由に申請が通らないだろうと忠告されました。審査が比較的緩やかな貸金業者を利用したとしても、利息を含めた今後の支払いで更に経営が苦しくなる可能性があったので資金調達は手詰まりだったのが実状です。そのような時に取引相手から売掛金を早期に現金化できるファクタリングの話を聞き、前向きに検討しようと思いました。
当時の私はファクタリングに関する知識が乏しく、不要品を中古屋に売るような軽い感覚で債権を現金化できると安易に考えていました。実際はファクタリング業者相手に様々な書類を提出する必要があった他、債権を現金化する目的を伝えるなど電話での話し合いも求められたので困惑したのが正直な気持ちです。それでも借金をするわけではなく、後でお金になる債権を譲渡するので手続きはスムーズに進むと楽観的に考えていました。しかし、申し込んでから数時間後に審査が通らなかった旨の連絡が届き、現金化が叶わなかったことに落胆しました。事業の売り上げがマイナス傾向だったこともありますが、私が選んだ業者は非常に審査が厳しく、初めて利用する人は特に審査落ちしやすい傾向にあると知ったのは後になってからです。
【複数の業者を比べて最適な所を選ぶのが基本】
私がファクタリングの利用で失敗した点は事前の確認をせず、適当に選んだ業者に申し込んだことです。同じファクタリングでも業者によって審査基準や買取金額、そして現金化に至るまでの所要時間に違いがあることを知りませんでした。ファクタリングは今すぐ現金が必要な時に利用するものなので、最初の審査落ちは貴重な時間を無駄にしたと感じました。一方でこの失敗により、業者選びが如何に大切かを学べたのも事実です。二度目の業者選びは複数の相手を比較することが目的であり、知名度が高い大手業者や検索結果で後ろの方に出てきた小規模な業者まで無作為に選び、ファクタリングの問い合わせを行いました。
結果、大手業者だからといって必ずしも買取金額が高いとは限らないことや、現金化の所要時間に大きな差があることを知りました。中には一週間以上の日数を要する所もあったので、早期の現金化には不向きと判断して早々に除外しました。また、私は仕事の都合上、長期間会社を空けることができないので窓口に出向く必要がある業者も選択肢から外しました。最終的にはやや買取金額が少ないものの、すべての手続きがネットで完結して当日中に現金化ができる業者を選びました。結果、当初の考えよりもやや少ない金額になりましたが、時間をかけずに事業資金を調達できたのは非常によかったと思います。
【納得したうえで手続きを進めることが大切】
今回、ファクタリングを利用して感じたのは、業者の対応に大きな違いがあったことです。申し込んだ後に業者の側から確認の電話が入りますが、その際の対応が客商売とは思えないほど粗雑な所がありました。また、こちらが質問しても明確な答えができず、強引に買取手続きを進めようとする所もありました。買取金額が高く口コミも好意的な評価が多い業者だったので、評判と実際の対応は別物と痛感したのが正直な気持ちです。どれだけ好条件でも最終的には人同士のやり取りなので、相性の良し悪しが影響すると感じました。資産である売掛金を売却するので、何よりもまずは信頼できる所を選びたいと強く思いました。
自分が納得したうえで手続きを進めるのが健全に現金化を行う必須条件と痛感しました。
【ファクタリングは信頼できる業者選びが重要】
ファクタリングは、速やかにまとまった金額の現金を用意する手段です。また、様々な書類を用意し、現金化の目的や用途を的確に伝える必要があることから、何よりもまずは信頼できる業者を選ぶことが重要と言えるでしょう。自分が納得できる結果を得るために慎重な判断を下すのがファクタリングを利用する際の心得だと思います。