人材派遣業を営んでいる経営者の悩み種のひとつが「資金繰り」です。人材派遣業の特徴として、売上が大きくなればその分売掛金も比例して大きくなる傾向にあります。ですが派遣社員の給料は、その売掛金の入金よりも先に支払うこととなるため、資金繰りが苦しくなりがちです。その悩みを解決させるのが売掛金を利用した「ファクタリング」なのです。
【人材派遣業の特徴】
人材派遣業を営む経営者は、何らかの理由で資金調達が必要になる場合があります。その時に、なじみのある金融機関に融資を申し込むことはよくあることです。ですが、金融機関に融資相談をしても、審査に引っかかり運転資金を借りることが出来ない場合には、資金繰りに困ることになります。特に人材派遣業を営む場合には、事務所の家賃や人件費等が重くのしかかることになります。その中でも人件費は負担が大きく、採用している事務員の給料や賞与、派遣社員の交通費や社会保険料が大きな負担になっているのです。
さらに派遣業では、季節や景気により仕事量が上下する傾向にあります。4月などの新年度は仕事量が増加しますが、2月や8月などは仕事量が少なくなる傾向にあります。また、景気の良い時には派遣社員を必要とする会社が増加します。ですが、いったん景気が悪化すると、その逆方向にシフトしていく傾向があります。人材派遣会社はこのように、季節や景気によって売り上げがアップダウンする事が多いのです。
そして、売り上げが不安定であるにもかかわらず、家賃などの固定費や人件費を払い続けなければなりません。それが一因となって、赤字を生んだり資金繰りに行き詰ることになるのです。赤字経営が何期も続くと、今まで資金を貸してくれた金融機関も態度が変わります。ですから、もしもなじみの金融機関が資金を貸してくれなくなった時のためにも、別の資金融通の方法を考えておくほうが、安心できるのではないでしょうか。その一つの方法が売掛債権を利用した「ファクタリング」なのです。
【いざという時に強い人材派遣業のファクタリングとは?】
人材派遣業で行う「ファクタリング」とは簡潔に言うと、派遣先の企業から支払われる報酬を「売掛債権」としてファクタリング会社に売買することにより資金を調達する仕組みです。上記のように人材派遣業では、家賃や人件費などの負担が重くのしかかります。他にも資金繰りに苦しくなる特徴として、派遣先の企業から入金が遅いことが挙げられます。中には数か月先の入金という取引先もあり、それが経営者の悩みの種となるのです。それにもかかわらず、派遣社員への給与の支払いは「日払い」が多いために、現金が流出しやすいのです。
他に懸念されることが、派遣先の業者が経営悪化に陥るということです。つまり、万が一派遣先が倒産した場合、売掛金を回収することが困難になってしまう可能性もあるということです。それ以外にも、派遣された人が派遣先で事故やトラブルに巻き込まれてしまい、その賠償を支払うことになるというケースもあります。このような突発的な出来事が起きた時に、役に立つのがファクタリングによる資金調達なのです。
【人材派遣業がファクタリングを使うメリットとは?】
人材派遣会社が、ファァクタリングを利用する時には、ファクタリング会社による「審査」があります。その時に大事なのは、派遣会社が持っている取引先の「売掛債権」が、どれだけ信用力を持っているかです。金融機関から融資を受ける場合には、派遣会社そのものの信用力が問われますが、ファクタリングの場合には信用力のある売掛債権さえあれば、派遣会社が赤字であったとしても、ファクタリングを利用できる可能性は高いでしょう。そして派遣業の場合には、人材を同じ業者に何度も派遣していることが多いです。その企業との取引が長期にわたって続いているため、信用のある売掛債権を保有していると判断されやすく、有利になるのです。
さらに、ファクタリングを行うことを、派遣先企業に知られることなく利用出来るのもメリットの一つ。他にも、派遣先企業の中で、売掛債権の回収日までの期間が長期に設定されているところがありますが、そのような場合には、資金回収を早めるためにもファクタリングを利用する価値が高まります。
【会社が所有する資産のひとつ「売掛債権」を活用しよう】
人材派遣業は運送業や建設業などと同様に、ファクタリングを利用しやすい業種と言われています。会社を上手に運営するためには、資金繰りは何よりも大切です。もしも、資金が不足するような事態に至った時には金融機関の融資だけではなく、売掛債権を現金にする「ファクタリング」で資金調達することを検討してみましょう。